みなさんは「ステルス値上げ」ということばを聞いたことがありますか。
最近ニュースで話題になっている「ステルス値上げ」について紹介します。
購入した商品のパッケージを開けた時、「値段は変わっていないのに前より内容量が減った気がする」と感じたことはありませんか。
それは「ステルス値上げ」商品かもしれません。
「ステルス値上げ」とは、商品の価格を据え置いたまま内容量やサイズを縮小させる、
消費者に気づかれにくい値上げのことです。
現在、ポテトチップスやコンビニのお弁当、生鮮食品などの身近な商品が、
じわじわと実質的な値上げをしなければいけない状況が続いています。
「ステルス値上げ」はポテトチップスやコンビニのお弁当、生鮮食品などの身近な商品だけではありません。
意外に知られていないのが、鉄道やバスなどの公共交通機関もステルス値上げをしているということです。
コロナ禍になってから、鉄道各社やバス会社などはダイヤ改正ごとに減便を繰り返しています。
値上げはしなくても減便することが「ステルス値上げ」になります
ステルス値上げが相次ぐ背景には、
世界的な原材料・エネルギー価格の高騰、
人手不足の深刻化などがあると考えられます。
さまざまな要因が影響し、原材料・エネルギー価格が世界的に高騰していることで、
商品を作るためのコストが増大しています。
- 新型コロナウイルス感染症の流行で大きく落ち込んだ経済活動が回復し始め、世界的にモノやサービスに対する需要が急増していること
- 原材料輸出国であるロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁等の影響で、原材料・エネルギー調達が難航していること
- 急速に進んだ円安により、輸入コストが増大していること
多くの業界で人手不足のため、企業は人材確保のために給料を上げるなどの工夫をしています。
しかし、それらが経営の負担となるケースは珍しくありません。
人件費等の増加による負担を商品の販売利益でカバーせざるを得ない状況となり、
ステルス値上げを選択することがあるのです。
今までは企業努力で値上げをせず、コスト削減の努力し、頑張っていた企業も、
円安が続き、値上げを避けられない企業が多いのかもしれません。
このまま円安が続くと、来年2月に多くの企業が値上げをするかもしれません。
そうなると、私たち家計への負担が大きくなるかもしれません。